燃焼時CO2 7割削減
高六商事、市場展開を強化
高六商事(高橋玄策社長)は、環境にやさしい合成樹脂添加剤「ハイクールゲン」(特許申請中)の市場拡大に注力する。
同製品を30%添加した樹脂は、燃焼時のCO2発生量が70%も減少するほか、強度も大幅に高まるため部品軽量化によるコストダウンに貢献する。
樹脂の種類によりコンパウンド(ペレット)とマスターパッチを品揃えしており、押出成形品、中空成形品、射出成形品などあらゆる分野で市場開拓していく方針だ。
ハイクールゲンは、比表面積が大きく、CO2など0.4ナノ㍍までの大きさの分子を吸着する細孔を持つ無機物。代表的な汎用樹脂であるポリプロピ
レン(PP)に30%添加した場合、燃焼時のCO2発生量を70%削減することが実験で確認されている。従来の無機物転嫁の場合、CO2の削減率は2~3
割強程度で、ハイクールゲンは2倍以上の削減効果を持つ。
また、樹脂の結晶を成長させ結晶化度を上げる効果により、製品の引っ張り強度、曲げ弾性率、衝撃強度などを上昇させる。このため、樹脂製品の薄肉化による
コストダウンが可能となる。さらに、製造設備や製造方法を変える必要がないといった容易性や、人体への影響がなく食品分野にも使用できる安定性なども兼ね
備える。
高六商事は、高い技術力を背景に独自ブランドを提供するメーカー機能の強化する戦略を推進している。ハイクールゲンはその戦略商品の1つとして、環境問題への対応に積極的な需要家をターゲットに、各分野の樹脂製品向けに普及させていく考えだ。